退職の理由を上手に伝えるのは難しいですよね。
職員がおらずギリギリの人数で業務を行っている会社では、「退職したい」とは言いづらいし、引き継ぎや手続きにかかる期間を想定し、言うタイミングも気になりますね。
意外にも、民法上では退職は2週間前までに伝えれば成立しますよ。
この記事では、退職する理由の上手な伝え方とタイミングをご紹介します。
みんなの退職理由と上手な伝え方
みんなはどんな退職理由?本音と建前のランキング
実際に伝えられている退職理由は「家庭の事情」が多いです。
辞める時に、どこまで自分の本当の退職理由を伝えるべきか、悩む人も多いのではないでしょうか?
誰だって辞めるときは円満退職したいですよね。
本音を伝えたい気持ちはぐっとこらえて、建前の退職理由を伝えて円満退職したいと思う方が多いようです。
もちろん、嘘をつくことは社会的にはNGです。しかし、建前というのは「表向きの方針」とも言われ、むしろ必要な場合もあるのです。
このデータからも、退職時には本当の退職理由を言わない人が圧倒的に多いという結果が出ました。
やはり本当の退職理由の1位は、人間関係になっていますね。
しかし実際会社に伝える退職理由は「家庭の事情」がトップです。
退職理由の上手な伝え方【テンプレあり】
では、どうすれば上手に伝えられるのでしょうか?
何か行動を起こすときには5W1Hを意識して対策を練れば用意周到に挑むことができます。退職を決めたら「誰に」「いつ」「どうやって」「どこで言う」かを考えましょう。
誰に伝える?
まずは直属の上司に伝えましょう。
もし直属の上司を飛び越えて部署のトップや人事に伝えてしまうと、上司のメンツをつぶすことになりかねません。そこはきちんと手順を踏んで、退職までのプロセスをスムーズに進めて行くことが大事だと考えましょう
いつ伝える?
これに関しては次章:退職を伝えるタイミングでご紹介します。
どうやって伝える?
廊下での立ち話では、人の目が気になりきちんと伝えられないかもしれないので
「お話したいことがあるので、少しお時間を頂けないでしょうか」
とメールで上司にアポイントを取っておくのがベターです。
この段階では流れで「退職したい」と言ってしまいそうですがあえて出さず、あくまでアポイントの都合を確認するための文章にします。
次に「退職することはすでに決めている」という意思が伝わる言い方で伝えましょう。
もし「退職を考えているんですが、どう思いますか?」と悩んでいる様子で伝えると「まだ決めてない」と判断され引き止められてしまいます。
とまずは上司や会社を敬う言葉で切り出し、はっきりと落ち着いた感じで
と退職したい旨を伝えましょう。
どこで伝える?
退職の話を切り出す際は、他の同僚たちがいるオフィスとは別の場所で行いましょう。
周囲への影響を考慮して会議室など二人きりになれる場所か、もし外出が可能なら、外のカフェなどで話を切り出すのも良いでしょう。
ちなみに私は、混んでいない時間の社員食堂で切り出しました。
退職理由の例文
退職の意思を伝えると、上司からは必ず退職理由を聞かれますので、相手に納得してもらえるような退職理由を事前に準備しておくことが大切です。
辞めるとはいえ、これまでお世話になった会社ですから、悪口や愚痴を理由にするのは得策ではありませんか。
できれば「自分がやりたいことを実現するために転職する」という言い方を心がけましょう。
前向きな退職理由・テンプレート
- 仕事の中で興味を持った分野に特化して、より専門性を高めたい
- これまでの仕事の経験を生かし、新しい環境で自分の力を試したい
- 現在の仕事とは違う分野に挑戦してみたい
- 資格取得のため、勉強に専念したい
- 学生の頃からの夢だった海外留学を実現します
- 個人で開業する決意を固めました
家族や個人的な理由・退職理由テンプレート
- 結婚が決まり、相手の転勤に伴って転居することにしました
- 結婚を機に多忙な夫のサポートに専念したいと考えております
- 親の介護に専念しないといけない状況になりました
- 両親が高齢となり、家業の手伝いをしなくてはならなくなったため実家に戻ることにしました
- 健康状態が悪化してしまい、静養することにしました
- 持病が悪化し、しばらくは療養するために退職したい
退職を伝えるタイミング
退職を伝えるタイミングは、実は多くの場合就業規則に記載されています。例えば
「従業員が退職する場合は、○ヶ月前までに会社へ退職の申し出を行い、受理されなければならない。」
という風に書かれています。
しかし 法的に有効か?というと話は変わってきます。
民法第627条1項では、正社員など雇用の期間の定めがない労働者の退職について、以下のように定めています。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する」
つまり、退職日の2週間前までに会社側へ申し出ることで、会社側の都合に関係なく退職は認められるのです。
民法にかぎらず、法律は会社の就業規則により優先します。ですので、就業規則に「○ヶ月前までに会社へ退職の申し出を行うこと」と書かれていても、私たちは2週間以上前までに退職の申し出をすれば退職できるのです。
もし、体調がどうしてもすぐれないとか、会社がブラックで退職届を受理してもらえない場合などは、就業規則でいくら○カ月前までと書かれていても「2週間で辞める事ができる」ことを覚えておきましょう。
また、間に立って退職を進めてくれる退職代行サービスの利用もおすすめです。
では退職を切り出すタイミングはいつが良いのでしょうか?ポイントは2つあります。
ポイント1.繁忙期を避ける
仕事の繁忙期やプロジェクトの納品時期などは、会社が辞められると一番困るタイミングです。
できればこうした時期は避けて、できるだけ会社に迷惑がかからない時期を退職希望日に設定した方が、円満に退職が進みやすくなります。
ポイント2.引き継ぎや手続きにかかる期間を想定し退職日の1〜3カ月前に伝える
引き継ぎや手続きにかかる期間を想定した上で、遅くとも1ヶ月前までの申告を目指しましょう。
もしすでに転職先から内定をもらっていて、入社日も決まっているのであれば、すぐにでも「転職先の入社日がすでに決まっている」と上司に事情を話して退職の意思を伝えましょう。例えばこういう伝え方が良いでしょう。
「実は次の勤務先が決まっておりまして、入社日も○月○日で決定しています。つきましては、急なお願いで恐縮ですが、○月末日をもって退社できますでしょうか」
退職日やスケジュールについて会社と交渉する際は、「自分が譲歩できる退職日、譲歩できない退職日」をはっきりと伝えることが必要です。
まとめ
円満退職のための伝え方とタイミングのポイント
- 退職を切り出す相手は、まず直属の上司から
- 「今の会社になるべく迷惑をかけない時期」と「自分の転職先の入社日」を見極める
- 誰が聞いても納得できる退職理由を説明できるように準備しておく